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救急医療用ワイヤーソー(キュアカッター)
おおた福祉・医療賞
概要
災害事故現場で瓦礫などに挟まれた被災者を救命する為、緊急外科処置の一つに四肢切断があるが、現在使用されているワイヤーソーは、切れ味が悪い、目詰まりにより切れ味が持続できないなどの問題点があり、救急医療医師に負担を掛け、大きなストレスを与えている。当社は災害事故現場で、被災者に対し充分な医療をできなかった救急医療医師の経験に基づき、従来品より優れた切断性能を有するワイヤーソーを開発した。素材のコバルト-クロム基合金は、従来品のステンレスに比べ、機械的強度が高く、耐摩耗性が優れている。構造は、当社固有技術の細線、撚り線技術を活用し、当社独自の3次元撚り線構造を開発した。この3次元撚り線構造により、切れ味及び、切り屑排出性を向上させ、優れた切れ味持続性を実現した。(特許取得)
また、コバルト-クロム基合金の優れた特性を活かし、当社の極細線伸線技術により、ワイヤーソーの細線化を実現した。ワイヤーソーの細線化により、患者への負担が低減できるのみでなく、四肢の骨よりも細い脊椎の切断など、新たな使用用途の可能性が生まれてくる。今後は、救急医療用への拡販だけではなく、使用用途の拡大も計画している。
特徴
- 既存のワイヤーソーに比べ、独特な3次元構造により約2.83倍の切断性能と2.53倍の切れ味持続性を有している。
- ワイヤーソーに使用するコバルト-クロム基合金は、ステンレスに比べ、機械的強度が高く、耐摩耗性が優れている為、既存製品に比べ、細線化が可能となり患者への負担が低減できる。
- コバルト-クロム基合金は、ステンレスに比べ、体の脂肪分や血液中たんぱく質の付着が極端に少ない為、切れ味が低下しない。
- 使用用途に適したサイズのワイヤーソーを提供できるので、用途の拡大を期待できる。
- ワイヤーソー両端に取り付ける取っ手(ハンドル)は、既存製品は金属製で、術後は滅菌し再利用するが、当社で開発した取っ手(ハンドル)は、樹脂製の為、安価で大量生産ができる為、使い捨てが可能となり、血液付着による感染症のリスクが低減できる。
講評
「おおた福祉・医療賞」は『救急医療用ワイヤーソー(キュアカッター)』が受賞されました。この製品は、災害事故現場等での緊急外科手術における四肢切断用のワイヤーソーで、撚線構造を工夫することで従来品を凌駕する切断性能を実現するとともに、高強度の生体適応材料によるワイヤーやハンドル部分のディスポーザル化によって、医療関係者の使いやすさを向上させるなどの優秀性が評価されての受賞です。一概に中小企業が医療分野の製品を上市するのは審査・承認が課題となって簡単ではないのですが、本製品は比較的進出しやすい分野を提示している点でも高く評価されました。
企業情報
社名 | 株式会社 東京ワイヤー製作所 |
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住所 | 〒144-0056 大田区西六郷2-30-9 |
連絡先 |
TEL:03-3732-3333 FAX:03-3732-3332 |
URL | http://www.twire.co.jp/ |