大田区は2020年のまち開きを目指し、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業を進めています。
大田区をはじめ、日本のものづくり技術や、優れた日本文化を国内外に発信する拠点整備など、地域経済の活性化や我が国の経済成長につながる取り組みを実施します。
「戦略的産業クラスター形成パイロット事業」は、羽田空港跡地第1ゾーンで展開される先端産業の発展に資することを目的としております。具体的には、「次世代モビリティー(EV、自動走行など)分野」
「ライフサイエンス・ヘルスケア分野」
「ロボティクス分野」 「関連分野(デジタル技術分野、その他先端産業に資する分野)」において7つの事業プロジェクトを選定し、区内中小企業の技術力、対応力と経験値の向上を目指す取り組みです。
事業プロジェクトの実施にあたっては事業プロジェクトを公募し、企業、大学等から幅広く
提案をいただきました。審査の結果、7つの事業プロジェクトを選定し、多くの区内中小企業が参画しています。
2020年2月6日から2月7日まで行われたおおた工業フェアにて各プロジェクトの成果発表を兼ねた展示が行われました。
プロジェクトごとに実際に製作した現物とパネル展示を2日間にわたって行い、来場者に対しての告知を行いました。
中央大学理工学部 電気電子情報通信工学科 國井研究室
株式会社Piezo Sonic
日本を代表するものづくり都市:大田区内では板金、切削、研磨、塗装などの各工程において各社の特色を生かした分業化が進んでいます。このため、一つの部品の完成までに複数の工場が連携しており、市場での競争力を維持するため、スムーズな連携を低コストで実現するシステムの構築が課題となっています。
また、日常生活においてもお店で作られたものを家で食べる「中食」が進むことで食品、食材のデリバリーへの需要が高まっています。
これらの解決のため、私達は加工部品や食品、食材の搬送を行うための「搬送用小型自律移動ロボット」の開発に取り組んでいます。
このロボットは20cmの段差を乗り越える走破性と、30kgの搬送能力をもつため、新設される「羽田イノベーションシティ」でも、自動・自律搬送の一翼をになうことが期待されています。
株式会社テクノロジーリンク/有限会社ファクタスデザイン/マブチモーター株式会社/株式会社竹野入工業/ 株式会社キョウエイ/Quadcept株式会社
株式会社富士通ゼネラル
この事業は、抗がん剤治療の副作用で起こる脱毛を防止・予防することのできる医療機器の試作機開発を目的としております。
抗がん剤による脱毛は、頭皮を冷やす(16℃~20℃)ことで効果があるといわれており、海外では先行品として医療機関に導入されています。しかし、筐体が大きく据え置き型のため日本の医療施設には設置台数が限られるという課題があります。また、日本人の頭蓋骨にフィットしないという課題もあります。
そこで、当社の空調技術の知見より得られた最新の技術である電子冷却装置(ペルチェ素子)を用いた小型軽量冷却システムと頭骨形状にフィットする材料(特殊金属糸等)を用いた新素材キャップを開発することで筐体サイズの小型化とキャップのフィット性を同時に根本的に解決することを目指し、がん患者さまのQOL向上を実現します。
株式会社東京ワイヤー製作所/株式会社ACTYPower/株式会社テクノロジーリンク/江和テクノ合同会社/ NORIKO HASHIDA DESIGN/有限会社岸本工業/デキサホールディングス株式会社
イービーエム株式会社
本事業では、世界でも特にアジア(インド、中国)市場に通用する手術訓練シュミレータ(ハード)、および手術教育コンテンツ(ソフト)を開発し、羽田を拠点とした世界への普及を目指しています。
以下の製品開発、及びサービス展開のための活動を行い、「羽田空港を有する大田区にしかできない産業クラスターのビジョン」を検証します。2020年に開業する羽田空港跡地第1ゾーンでは、「ライフサイエンス研究開発拠点」「産業交流拠点」が整備されますが、本事業では、2020年度以降の当該羽田を拠点とした世界・アジア市場に焦点を当てた「手術トレーニング事業」「手術トレーニングを介した新規医療機器の試作受注」を実現するためのパイロット事業を提案しております。
《具体的成果物》
1)誘電体アクチュエータ・誘電体センサeRubber(豊田合成株式会社開発)を用いた、心臓拍動シュミレータSupeR BEATを活用した訓練プログラムの開発
2)アジア各国(中国、韓国、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポール、インド等)との連携手術訓練プログラムのための手術教育コンテンツの開発
東邦大学/聖路加国際病院心臓血管外科/豊田合成株式会社/トキ・コーポレーション株式会社/一般社団法人世界手術教育フォーラム/株式会社渡辺精機/デキサホールディングス株式会社
株式会社H-MUSCLE
現在我が国のロボットは電磁モータと歯車で駆動され、強い衝撃や耐環境性に対し弱点が有り「ひ弱な優等生」とも言われています。
当社では、例えば災害時における救援ロボットなど小回りが利き小型で大きな力が出せ、しかも細やかな作業が行え、衝撃や風雨や塵埃に強い次世代油圧ロボットの創生を目指しています。その駆動基礎となる新しい油圧アクチュエータを先ず研究開発いたします。
ロボット駆動部(関節)には多自由度(多数)の直線および回転運動のアクチュエータが必要となります。当社の事業展開として鉄と変わらない強度を持った新しい軽量合金を素材とし、小型・軽量・高出力(通常の油圧より高い35MPa:1㎠当たり350kgの力)とし、さらに低速でも微細な制御ができる画期的な油圧アクチュエータを開発し市場展開を目指しております。
JPN株式会社/セキダイ工業株式会社/トク・テック株式会社/株式会社ダイニチ/東京工業大学/丸善工業株式会社
株式会社エース
日本の農地には田畑のあぜ道とその斜面があり、特に山間地を切り開いた田畑では水平を保つために斜面があります。斜面は日当たりの良い南側に向くことが多く、生い茂る雑草の処理は必須です。就農人口の減少・高齢化に伴い、対応は年々難しくなっています。
今回、農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター協力のもと、急斜面に対応した自動制御草刈ロボットの開発を行いました。
特徴としましては、車輪の中軸から伸びているワイヤーを斜面上面の離れた2点に杭などで固定し、草刈ロボットに内蔵したモーターで個別に巻き取ったり、伸ばしたりする事で一定範囲の草刈を行う仕組みとなっています。
草刈機は全国に需要があり、急斜面に対応した自動機は存在してません。また、ロボット化した際の部品製造では大田区の連携の強みが発揮できると考え、開発に取り組みました。
太田ゲートウェイ株式会社/株式会社フルハートジャパン/堤工業株式会社/I-OTA合同会社/株式会社キョウエイ/有限会社大野精機/有限会社東蒲機器製作所/有限会社原田精工所/東京金商株式会社
株式会社The MOT Company
環境に優しい天然繊維を先端軽量化素材として普及させるための成形・加工拠点を大田区に作ろうという事業です。
セルロース繊維(卵ケースの素材)にCNF(セルロースナノファイバー、鉄の5倍の強度・5分の1の重量)を注入してコア材とし、その両面にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を貼り付けたサンドイッチ構造のパネルを製作します。
プレス機、切削加工機、金型の技術勝負です。高強度・軽量・低コスト・成形自由性と4拍子揃った素材は、自動車、航空機で広範に使用されます。
2030年にはCNF市場は1兆円といわれています。素材は常に新しいものに生まれ変わるので、加工技術はそれに対応しなければなりません。
今まで蓄積してきた技術を転用して成長市場の波に上手く乗ろう!が合言葉です。
千蔵工業株式会社/株式会社At Workエンジニアリング/株式会社渡辺製作所/ハムジャパン株式会社
株式会社東新製作所
本事業は、5G通信時代の到来を目前にして、羽田空港跡地のイノベーションシティーでの活動を中心に、地域のモノづくりの活性化に寄付する取り組みとなります。
具体的には電力会社や通信事業者と連係を取りながら、「5G基地局の設置技術」「スマートポールの概念デザイン及び普及活動」などのインフラ関連事業やloT関連のスタートアップの支援事業等をおこなっていきます。
2020東京オリンピックを目前に控える今、世界の玄関口であり日本の交通の中心でもある羽田に新しい拠点ができます。そこに最新の情報や技術・テクノロジーが集結し、多くの企業や人材が活躍できる大田区ならではの新しい産業集積を目指します。
I-OTA合同会社/合同会社ツクル/株式会社ダイモン/Mintomo株式会社/ブレイクポイント株式会社/HAFT DESIGN