扱っているのはセキュリティの核となる制御盤
まいど! 『おおたシゴト未来図』レポーターのコンドーです。というワケで今回お邪魔するのはこちら!
大田区本羽田にある「株式会社JEI(※2020年1月より社名変更)」です。大師橋の近くで、最寄り駅の京浜急行空港線・大鳥居駅からだと徒歩6分。ちなみにJEIは大阪に本社がある電気錠や防犯製品・システムの製造・販売を行う会社で、こちらは東京営業所になります。
ではお邪魔してみましょう。中に入ってみると、二人の男性社員が出迎えてくれました。
向かって右が奥嶋一弥さん、左が斉藤隼人さん。二人とも東京営業所に所属する営業の方です。今日はよろしくお願いします!
まずは奥嶋さんにお話を伺ってみました。
- 奥嶋 一弥(おくしま かずや)さん
- 東日本営業部 東京営業所所属。2011年に中途採用として入社。東京都大田区出身。もともとはCADオペレーターとしてJEIへ入社。その後、事業拡張などに伴って営業職へと異動することになり、「ドライバーの持ち方」など、イチから教わる。現在は東日本全体、特に東北以北のお客様は奥嶋さんが担当しているとのこと。
JEIは1962年に大阪で誕生した会社。半世紀以上の歴史があるんですね。電気錠を日本で初めて開発した会社なんだそうです。当時って木製の引き戸をガラガラッと開けていたような時代。というよりも、在宅中は玄関の鍵なんて閉めずにいたような時代ですよね。先見の明があるなぁ。
「電気錠」と聞くと、鍵のようなものを思い浮かべがちですが、オフィスなどでよく見かけるカードを使うカードリーダーや、手のひらをかざす静脈認証といったタイプも電気錠に含まれるのだとか。そう考えると、電気錠ってあらゆる場所で使われているんですね。
創業者である先代社長が人の安心・安全、何よりも人の命を守りたいという想いが強く、自動車のブレーキシステムの研究もしていたのだとか。同時に行っていたのが電気錠の開発と製造・販売で、現在は電気錠の制御盤なども取り扱っているそうです。
-
電気錠関連のメーカーは他にもあると思うのですが、御社なりの強みはどの辺にあるんですか?
-
制御盤でいうなら、他メーカーの電気錠であっても組み合わせることができますね。ということもあって、お客様のニーズを伺って、販売から施工、さらにメンテナンスまでトータルに対応できる点が強みだと思います。
-
じゃあ社内でチームを組んで対応していくんですね。
-
いえいえ、担当する営業社員が、販売後の施工やメンテナンスも対応するんです。
-
エッ!! そうなんですか!?
ちょっと難しい話をしますと、たとえば新規住宅で電気錠を導入しようとした場合、工事内容が電気工事と建築工事に区分されるのだとか。いわばサブコンとゼネコンの工事に分かれるわけですが、JEIに頼めば一括で行ってくれるんですって。
そしてそれが可能になるのも、営業の皆さんが取付やメンテナンスなども行える深い知識と技術を備えているからなのだとか。
「何だか専門知識がないと採用されないかも…」と思う人がいるかもしれませんが、入社後にイチから教えてもらえるそうなので大丈夫。ちなみに奥嶋さんも入社時はCADオペレーターだったそうですが、指導を受けて営業に。今では東京営業所を代表する社員です。
高齢者の安心・安全を守る製品がヒット!
ちなみにどんなところに製品を納品しているのかを尋ねたら、老人ホームなどが多いそうです。
-
老人ホームって、泥棒などに狙われやすいってことなんですか?
-
それよりも、入居されている方の安全を守るために、外へ簡単に出られないようにする工夫を行っています。
-
あ、認知症の方の徘徊などがニュースでもよく取り上げられますよね。
-
そうなんです。
たとえば、老人ホームでお年寄りが入居されている階から勝手に出ないようにするために、エレベーターのセキュリティを強化するとします。エレベーターのシステムから替えるとなるとコストもかかりますが、3つのキーを使って暗証番号を入力する電気錠を取り付ければ、低コストでセキュリティが確保できるというわけ。
まさにテンキーならぬ、スリーキー(笑)
世の中には、可能な限り厳重なセキュリティが求められる分野がある一方で、こうした簡易的なセキュリティで十分という分野もあるわけです。そして、この簡易的なセキュリティのニーズのほうが、圧倒的に高いような気がします。 そんなJEIの製品の中で、主力製品であり、2011年にグッドデザイン賞も受賞したのが、この引戸用採風電気錠「ケアロック」です。
これは引戸や窓サッシなどに後付けできるタイプの電気錠。施錠したまま少しだけ窓を開けることができるし、普段は窓を閉めて施錠しておいて、火災などの非常時には一斉に解錠するという優れもの。
実は老人ホームなどでは、入居者が徘徊する危険がある一方で、災害時の対策としてベランダのサッシなどを完全に閉めることは消防法で禁止されています。でも、このケアロックなら火事や地震の際に一斉解錠となるので安心。まさに創業時からのモットーである「人の命を守る」ための商品なのです。
そういえば、この営業所の玄関にも付いてました!
この他にも、室内にほこりや雑菌を入れたくない研究室などが、入口の扉を二重にする際に両方の扉が同時に開かないように制御するシステムや、カードキーや電気錠と連動して入退室を管理するシステムなど、防犯や防災に関する幅広いシステムを取り扱っているJEI。
セキュリティに関する意識が高まっている現在、そのニーズも今後ますます高まるに違いないと確信しました。
各部署での経験を活かし営業について勉強中
ここで、最近営業に異動になった斉藤さんにも話を聞いてみましょう。
- 斉藤 隼人(さいとう はやと)さん
- 東日本営業部 東京営業所所属。大学では生産情報システム技術を専攻し、2012年に新卒採用として入社。開発部門、生産部門を経験し、2017年に営業として東京営業所に異動し、奥嶋さんから指導を受ける毎日。「大阪出身ですが、東京のほうが暮らしやすくて好きです」とのこと。
大学でシステムについて学び、技術者として入社した斉藤さん。現在は奥嶋さんから教わりながら、営業としての経験を積んでいる毎日なのだそうです。
ただ、学んできたことや入社後に開発や生産部門を経験したことが、日々の営業活動においても役立っているのだとか。
老人ホーム以外にも、都内のオフィスなどのお客さんも多いという斉藤さん。これまでは大阪に住んでいたそうですが、東京はオフィスが多く、アプローチする会社も多い点が魅力だと言います。
確かに企業は多いし、立地的にもアクセスがいいし、1日に3社でも4社でも回れそう。
「新しいお客さんのところへ行くのが好き」という斉藤さんですが、社内でデスクワークということも多いそうです。そこはやっぱり、営業活動だけでなく、幅広い業務を担当しているからなのかもしれません。
-
斉藤さん自身は、どんな営業になりたいんですか?
-
やっぱり胸を張って商品をアピールできるようになりたいですね。
-
それは斉藤さん一人の力ではできないことのような気がしますが、それでもそう思われるのは、営業職の皆さんが幅広い業務をカバーし、それだけの裁量権が与えられているから?
-
そうかもしれません。そうやって、品質、安全性、価格、デザイン、その他全部。あらゆる部分でお客様に満足していただけるようになりたいと思っています。
インタビュー中、「ウチはまだまだ未熟な会社ですから」と語っていた斉藤さん。60年以上の歴史があって未熟?と思いましたが、それは裏返せば今よりももっとお客様に満足していただきたいという気持ちがあるから、なのではないでしょうか。
保守メンテナンスも行う営業職を募集しているJEI。通常の営業活動だけでなく、施工や保守・メンテナンスなど求められることが多い分、成長も早いはず。また、セキュリティはこれからの成長産業の一つですが、制御盤という「セキュリティの核」を中心に扱ってきたことで、今後の展開も幅広いのではないかと感じました。
皆さんもぜひ一度、自宅マンションや学校、バイト先などのセキュリティシステムをチェックしてみてください。もしかしたらあなたが毎日安心して暮らせているのは、JEIが見守っているからなのかもしれません。
※2020年1月より日本電子工業株式会社から新社名の「株式会社JEI」に変更になりました。
株式会社JEIの
- ケアロックのヒットもあり、引戸での電気錠ではシェア日本一の当社。そして「日本で初めて電気錠を開発した会社」でもあるので、電気錠の分野全体でもシェア日本一を目指します。また、老人ホーム以外のお客様にも積極的にアプローチし、幅広い分野に挑戦していきます。
- 10年以内の上場を目指しています。そのために一般のお客様向けの製品も拡充していきます。海外展開という話もありますが、まずは国内でもやり切っていないことはたくさんあります。海外展開に関しては、国内で十分な実績を残してからと考えており、そのためにも新しい、若い力に期待しています。