お店にとって何度も来店してくれるお客様はとても重要な存在です。今回は常連客を増やすメリットと、意識すれば誰でも出来る、お客様がついリピートしたくなるような接客や営業のコツを紹介します。
皆様がご商売をなさっていて一番気になるお客様は常連客、カッコよく言えば上得意客や贔屓客と称されるロイヤルカスタマーではないでしょうか?
地元の大田区、さらに言えば、お店を出している商店街や最寄り駅の近くの半径1~3キロの圏内にお住まいの地元客こそがロイヤルカスタマーになっていると思います。さらに性別、年齢層、家族構成、職業や趣味や嗜好等といった顧客の属性によってお店ごとのロイヤルカスタマーが決まってくると思います。
常連客の中には、皆様の小学校や中学校など古くからの地元のお友達を始め、お父様など先代がおられる店舗であれば、先代からのお付き合いの方もいらっしゃるでしょう。地元の地域に根差した草の根的なご商売こそが皆様が展開されている事業ということになると考えています。
皆様も実感されているように、常連客はありがたいものです。余程のことがない限りお店を裏切らないし、皆様のような事業主と個人的な繋がりも深いと思います。
ここで皆様の商売における常連客の重要性を確認していきたいと思います。
まずは、常連客こそが皆様の店舗の売上をつくり出す源泉となります。さらに顧客全体における常連客の比率が高まると、家族や同僚や友達といった知り合いに口コミで店舗の評判が広まったり、あるいは一緒に連れてきてくれたりします。
つまり、常連客はこれといった広告宣伝をしなくても売上増に貢献してくれます。皆様の事業を安定化させ、成長させるにはどうしても常連客の確保が必要となります。
また常連客の数を増やすと、「常連客数×来店頻度×一回当たりの売上金」の公式により売上が確保され、増加することが期待できます。
つまり、この公式は、店舗の経営を安定させて成長させるには、常連客の数を増やすこと、常連客の来店頻度を増やすこと、常連客が来店一回あたりに使うお金を増やすことが重要になることを示しています。
「新規客」を「常連客」にするために
新規の顧客が来店したら、まずは2回目の来訪が第1関門となります。2回来てくれたら贔屓にしてくれる可能性が高まりますが、常連客として固定化させるには、次の関門である3回目と4回目の来訪につなげることです。
4回来てくれたら、かなりの確率で常連客になってくれます。この来訪を続かせるには、顧客が何を楽しみに皆様の店舗に来ているのかをしっかりと把握することが重要です。提供する料理なのか、提供する飲み物なのか、価格レベルが合っているのか、接客が受けているのか、店舗の雰囲気が嗜好にあっているのか、はたまた他のお客様との相性が良いのか。
店舗内で新規のお客様が常連のお客様と知り合いになり、友達同士になるのも来店頻度が上がる観点から売上増が期待出来ます。すなわち、皆様においては顧客の立場や目線を意識して、ご自分の店舗を評価する必要があります。
顧客との人間関係を構築できればその顧客が常連客になってくれる可能性が高まりますが、中には静かに雰囲気を楽しむ顧客もいるでしょうから、声がけをするにも配慮は必要です。とはいうものの、顧客が来店したら、満面の笑顔でもってハッキリとした声で「いらっしゃいませ」と出迎えてあげて下さい。
また、天気の話題など当たり障りのないような切り出しで、お声がけして見て下さい。その時のお客様の反応を見て、話しを続けるか、一旦静かにしておくかの判断が要ります。これはお客様と店主の心理戦とも言えます。声をかけられたお客様の気持ちを汲み取るような駆け引きがいるかもしれません。
過去に来てくれたお客様が2回目にお越しになった時は「以前、一度来店されましたよね?」といった声がけも、お店が顧客のことを覚えてくれていたという印象を与えることになります。声をかけづらければ、来店したお客様と目を合わせて「以前、来てくれたお客様だ」という視線を演出して、笑顔で迎え入れては如何でしょうか?
加えて、2回目に来店した際に、3回目の来店に繋がるインセンティブとして割引券などを提供することも一案です。来店3回目、4回目こそが常連客になる分岐点になるのです。
常連客は店舗の売上を支える重要なパートナーである一方、店舗の宣伝をしてくれるお店の宣伝部長にもなります。あらためて、常連客との良い関係性を維持することを意識されてみては如何でしょうか。