繁盛店の第一歩は、綺麗なお店づくりから。お客様にとって綺麗なお店づくりを常に心がけることは、商売の大前提。あきない活性化コーディネーターとして街回りをするなかで感じることや、中小企業診断士の立場から繁盛店に共通する考え方、お店づくり、商品づくりのヒントを今回もご紹介させていただければと思います。
何気なく入ったお店が、「お店の外側も内側も清潔で綺麗なお店」「整理整頓が隅々まで行き渡り、旬のものもたくさん並ぶお店」だと気持ちが清々しくなり、また何度も足を運びたくなるものです。
一方で、綺麗なお店を作ることの重要性について皆さんよく理解しているものの、日々の繁忙や作業に追われ、お店の綺麗さを維持することやメンテナンスはついつい手を抜きがちになってしまうことも、店回りをしているとよく耳にします。
綺麗なお店を作り、そして維持・継続していくにはどうしたらよいでしょうか?綺麗なお店を維持するためのチェックポイントについて紹介していきます。
お店の外周りの汚れ・乱れ・放置のチェックポイント
基本的に入口周りはすっきりとさせ、なるべく物を置かないようにすることが大切です。不要物等はすぐに撤去し、入口周りをなるべく広く、邪魔なものが何もないすっきりと入りやすい空間を作るようにしましょう。
店の看板、テント等のファサード部分については、経年劣化による変化が出がちです。特に経年劣化による破損等がある場合は落下事故等の危険性もあるので早めに撤去してしまうなどの措置が必要です。汚れや破れ等が出てきたら、そのまま放置するよりも撤去してしまったほうがお客様にとっても今までの印象が一新されて、再度の来店のきっかけになります。
店外の地面のあたりは、雑草や植栽に注意が必要です。かつてプランター等を使ってお花などを植えていたものが、経年により枯れてしまいそのまま放置されているお店を非常によく見かけます。おそらく放置しているという意識もないと思われますが、そのような枯草や枯れ枝の情景は寂しさや貧しさを呼び起こし、管理が行き届かないお店であるという印象をお客様に与えてしまうことになります。不要になった植栽はすぐに撤去しましょう。店回りの雑草につきましても同じことが言えますので、こまめに手入れすべきです。
外側に面している窓については、数年単位で蓄積した泥汚れがついていたりします。お店の窓は、看板と並んでお客様を呼び込む重要なポイントです。汚れについては常に敏感になり、少なくとも半年以内のスパンで窓拭きを行うなど、こまめな清掃が必要です。
お店を綺麗にするためのポイント
まず、お客様のお買い物とは無関係なプライベートなものが店内に放置されていないかチェックしましょう。ほぼほぼのお店で多かれ少なかれお客様には関係ない私物がお店の中放置してあります。
お店はずばり「お客様のもの」です。お客様を迎え、最大限のおもてなしをする大前提としてまずはお店の中の不要物は撤去しましょう。
次に、壁に貼られているものは最新ですか?よく目にするのは色もすっかり褪せてしまったポスターです。また窓際には日焼けしている壁紙やポスター、メニューなどもよくあります。レトロを売りにしているのであればそれはそれで魅力的ですが、一般的に言えば、そのような日焼けや色褪せた貼物はすぐに撤去し、新しいものに変えるなどの対応が必要です。
床はすり減っていませんか?床の良し悪しにつきましては、個店差が非常に大きく出ます。床が綺麗に刷新されるだけで、お店の印象が180度生まれ変わるくらいのインパクトがあります。普段はこまめに床清掃したり、床の損耗が激しい部分は取り換える、代わりの敷物を敷くなどの工夫が必要です。
照明周り、部屋の四つ角などにほこりやクモの巣ありませんか?
照明周りはほこりが付きやすいので、できれば3か月に1回以上の清掃が必要です。また、隅などに目を凝らすとクモの巣があるお店を見かけることもあります。クモの巣は繁盛店の対局にあるものですので、すぐに清掃しましょう。
お店を綺麗にする大前提
お店の内と外についてのポイントを紹介してきましたが、どちらにおいてもまず大前提として「不要物を撤去」することです。断捨離という言葉がありますが、一度断捨離を実行し、店内外の不要物を撤去することをお勧めします。歴史がある店であればあるほど、ここ数年全く使っていないものにどんどん店内を侵食されています。
お店がすっきりすると、改めてその場所にお客様を呼ぶアイデアや工夫、新しい店内レイアウトなどが浮かんできたりします。それは環境がすっきりさっぱりした状況においてこそ出てくるものですので、時間があるときにぜひチャレンジいただければと思います。