大田区産業振興協会

大三グループが新たに挑戦するものづくり体験と民泊の融合 「大三蒲田ビル」オープン

建築資材商社の大三建商㈱と建設工事施工の大三工事㈱からなる大三グループは、2023年、大田区蒲田本町の工場跡地をリノベーションして、DIY、レンタルスペース、民泊の複合施設である「大三蒲田ビル」をオープンしました。今回は管理業務を担当されている平井氏にお話を伺いました。

大三グループ 平井氏

工場跡地を活用し、多様なニーズに応える多機能施設へ

― 大三グループについて教えていただけますか。

大三グループは、台東区入谷を拠点に、建設資材商社の大三建商㈱と、建設業の大三工事㈱の2社から成るグループです。

大三建商は1966年創業以来、小さなビスから建設用重機まで、幅広い建築資材を取り扱ってきました。一方、大三工事は建築施工やリフォーム工事を手がけ、現場での技術力を強みに事業を展開しています。

― 今回オープンした「大三蒲田ビル」は、どのような施設でしょうか。

グループの経営理念である「ものづくり・ひとづくり・まちづくり」を体現する場として誕生した複合施設です。1階にはDIYスペース、2階にはワークショップやイベントが開催できるレンタルスペースを設置し、3・4階では民泊施設「koubanoyado(コウバノヤド)」を運営しています。

もともと工場だった建物を、大三工事がリノベーションし、2023年9月にオープンしました。工場の構造を生かしながら新たな価値を加え、ものづくりの精神を感じられる空間となっています。

大三蒲田ビルHPより

「民泊」と「ものづくりスペース」の融合から生まれる、新たな地域交流

― なぜ、大田区で「民泊」と「ものづくりスペース」を運営することにしたのでしょうか。

大田区は、昔から多くの町工場が集まる「ものづくりの街」として発展してきました。今回、地元企業から「この場所を活用して新しい取り組みをしないか」という提案を受けたことをきっかけに、地域の歴史や私たちの仕事の本質を改めて見つめ直しました。

私たちにとって「ものづくり」とは、単に目に見える建築物を生み出すだけでなく、人々の記憶や経験に長く残る価値を創ることでもあります。

すでにあるものを活かし、人々が集い、交流し、新しい体験が生まれる場を生み出すことができれば、それは持続可能な地域づくりにつながるとの考えに至りました。

今回の工場跡地は、その想いを形にするのに最適な場所でした。地域のものづくり文化を継承しながら、訪れる人々と地元の方々がつながる場を提供する。これは私たちが目指す「まちづくり」の一環です。

また、大田区は羽田空港に近く、国内外からの観光客も多い地域です。民泊施設の滞在中に、地域の魅力やものづくりの精神に触れていただくことで、また新たなつながりが生まれる可能性を感じています。

― ものづくりスペースについて、具体的にどんな体験ができるのでしょうか。

2階にはレンタルスペースを設けており、随時ワークショップを開催しています。SNSで話題の「タフティング」はとても人気ですね。タフティングガンという道具を使い、布に毛糸を打ち込むことでラグを作ります。小物置きサイズのラグは初めての方でも比較的早くでき、当日お持ち帰りいただけます。専用の道具が必要なため、少しハードルが高いと感じるかもしれませんが貸し出し用の道具も揃えています。使い方もお教えしますのでぜひ当施設にお越しいただき、体験してみてください。

その他、2階には工業用3Dプリンタやレーザー加工機、工業用ミシン、一般用ミシンなどの機材も備えており、使用用途に合わせて幅広くご活用いただけます。

1階はCNCルーター、自動カンナ、電動工具、手工具類などの機材を揃えており、幅広いものづくりに対応できるDIYスペースです。

天井が高い空間ということもあり、現在は大型の什器を作成したい方からのお問い合わせを多く頂戴しております。

基本的に什器制作には時間が掛かるケースが多いですから、スペースのレンタル期間は最短で1日、長い方ですと2週間から1ヶ月ほど貸し切ってゆったりと作業をされるケースもございます。

利用にあたっての施設見学もお受けしておりますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

-大田区周辺の地域の方々にも施設を利用していただきたいですね。

はい、まさにその通りです。大田区周辺の皆さまにとってより身近な存在になれるよう、開かれた運営を心がけています。機材やスペースのレンタル利用はもちろん、ワークショップについても気軽にお問い合わせいただけたら嬉しいです。

柔軟に対応できるよう努めておりますので、ぜひご活用ください。

-民泊施設「koubanoyado」についても教えてください。利用者層や運営において特に力を入れている点はありますか。

利用者層は、オープン当初は海外からのインバウンドの方々が多かったのですが、徐々に国内からの宿泊者も増え、現在はほぼ半々ですね。内装デザインにこだわり、工場の雰囲気を残しつつ、モルタルと木材を使ったインダストリアルな空間を作り上げています。

3階と4階をそれぞれワンフロア貸し切りで提供しており、その広い床面積も好評です。最大9名までのファミリーやグループ旅行、研修や合宿でもご利用頂けますので、共通の楽しかった思い出として記憶に残るよう、1〜2階での体験オプションのご提案や、私たちが制作したインテリアの配置など、独自の付加価値を磨いています。

「大三蒲田ビル」がめざす姿とは

- 今後、本施設の目指す姿を教えてください。

「大三蒲田ビル」は、単なるものづくりの施設ではなく、人と地域、ものづくりを未来へつなぐ場として育てていきたいと考えています。

この場で「自分らしい希望を持ったものづくり」に挑戦した方々は、その魅力や奥深さを体験することで、ご自身の価値観をさらに豊かなものにされるでしょう。それはまた別の誰かの日常に溶け込み、連鎖し、結果として地域全体がより豊かになっていく。そんな未来を思い描きながら、日々の運営を続けています。

民泊施設「koubanoyado」も同様に、国内外から訪れる方々に、大田区の歴史や文化、ものづくりの魅力を感じてもらう場にしたいと考えています。ここでの宿泊をきっかけに、地域に愛着を持ち、何度も足を運んでくださる方が増えていくことを願っています。

私たちはこれからも「ものづくり・ひとづくり・まちづくり」の理念のもと、大三蒲田ビルが地域の活性化に貢献できるよう挑戦を続けてまいります。

ものづくりが好きな方、新しい体験を求める方、地域に関心のある方――どなたでも歓迎です。ぜひ一度、大三蒲田ビルへ足を運んでみてください。

- 貴重なお話をありがとうございました。今後の活動がとても楽しみです。

2025年4月12日(土) イベント開催予定 「わくわくフェスティバル」

♦「わくわくフェスティバル」の詳細はこちら
https://daisan-kamata.com/news/2qesf7HB

♦ものづくりスペース・レンタルスペース・民泊施設に関するお問い合わせはこちら
https://daisan-kamata.com/contact

施設情報

建物名:大三蒲田ビル
住所:東京都大田区蒲田本町2丁目7-3 大三蒲田ビル
HP:https://daisan-kamata.com/

企業情報

会社名:大三建商株式会社、大三工事株式会社
設立年:1966年9月、1971年2月
住所:東京都台東区竜泉1-31-4 大三ビル
HP:https://www.daisan-k.com/

 

 

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