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自重補償による、ウェイトレス遮断機
奨励賞
概要
近年、危機管理体制が重要視されるようになり、遮断機も設置現場に対応した設計が必要となってきました。中でも、手動遮断機は停電等時でも使用可能であることから、震災後に問合せが増えています。(昨年も、年間100 件以上の引合いがありました。)
従来の大半の手動遮断機は、遮断かんの自重を抑制するために支点の反対側にバランスウェイト(カウンタウェイト)が構造上必要になります。従来のバランスウェイトの動作には、動作範囲の確保が必要です。また、事故防止の為バリケード・安全柵等の設置が必要であり、導入が困難です。(そのため、引き合いのうち40%以上が導入を断念しています)
以前より手動遮断機のウェイトレス化の要求が高まっており、弊社での主要課題として、バランスウェイトの代用となる引きバネのリンク機構等の設計検討を重ねてきましたが、引きバネは平均的なトルク制御の実現が難しく不安定な動作となってしまい機構の決め手になりませんでした。他社製品も同様です。そのため、ウェイトレス遮断機連携開発を目的に企業グループを発足させて研究開発の結果、設置環境に制限がない"自重補償機構"を兼ね備えた付加価値のある「ウェイトレス遮断機」を完成させました。
特徴
本製品は、電気等の動力が不要で、重力バランスを作るバネとリンク機構で安定動作を実現する新しい発想の機構であり、他社ではまねのできないものです。
ウェイトレス化により場所の制約がなく、どこでも省力化を進めることができるので設計条件の緩和に大きく寄与します。市販電気動力付機器に比べランニングコストもかからず、導入時の初期費用も抑えることができ経済性に優れています。
特に下記に記載する特徴から優位性が高い製品です。
- 電力設備を必要としません。(電気無用)
- 使う地域、環境、場所を選びません。(設計条件向上)
- 遮断動作角度を任意で静止できます。(用途範囲の拡大)
- 構造が簡単で故障がありません。(メンテナンスの軽減)
- 圧縮バネの圧縮量でバランスポイントを自在に調整できます。(仕様対応範囲の拡大)
- 多関節を用いた2段式や交互車線用など複雑な機構に対応でき、重量制限も緩和します。(仕様の拡大)
- 機構原理は国際特許でガードされています。
講評
奨励賞に選ばれた『自重補償による、ウェイトレス遮断機』は、従来のカウンターウエイトに代えてスプリングによってバーを支える遮断機です。大学発の技術を製品に結びつけた新規性はもとより、カウンターウエイトがないため、狭い場所にも遮断機を設置できることから、駐車場などのスペースに制約がある場所にも適用できる市場性が高く評価されての受賞です。鉄道関連機器に強みを持つ同社ではありますが、より広範な用途が開拓されることを期待いたします。
企業情報
社名 | 代表企業 林総事 株式会社 |
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住所 | 〒143-0012 大田区大森東5-12-14 |
連絡先 |
TEL:03-3762-8451 FAX:03-3762-8454 |
URL | http://www.hayashisoji.com/ |
共同受賞 |
株式会社 東邦精機製作所 三五商事 株式会社 慶應義塾大学 森田研究室 |