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下町ボブスレー
おおたネットワーク賞
概要
下町ボブスレーは、大田区の中小製造業が保有するさまざまな加工技術を生かし、冬季五輪のボブスレー競技で使用する国産そりを開発・製作するプロジェクトです。五輪競技の場で、そりの優秀性を示すことで大田区のモノづくりの力を世界にアピールし、航空宇宙や医療機器分野の市場を開拓することを狙っています。
大田区の中小製造業は受託加工型が多い。しかし、発注側大手企業の国際競争力低下や生産拠点の海外シフトにより、受注量の減少が続いています。下請け仕事を待つのではなく、大田区中小製造業自身に最終製品を企画・開発・製作する力があることを示す必要があります。そこで五輪で使用する道具を開発・製作して大田区モノづくりの力を世界に示し、国内外の航空機産業や医療機器分野へ販路を拡大することを考えました。
開発対象にボブスレー競技を選んだのは、他の競技の道具に比べ大田区中小製造業が得意とする金属加工技術を生かせること、炭素繊維強化プラスチック(CFPR)製ボディと金属製フレームの組み合わせが航空宇宙分野に応用しやすいこと、部品点数が多いため異なる得意分野を持つ大田区中小企業が連携する「横請けネットワーク」の強みを生かせること、などが理由です。
特徴
下町ボブスレーの製作では、一体削り出し加工の部品を多用することで、強度と信頼性を高めています。また、実際に操縦する競技選手の要望を聞き、ハンドルの操作性やシート位置、運転席からボディの端を確認する視認性など、顧客ニーズに丁寧に対応しています。作り手の理論でなく、ユーザー視点でのモノづくりにより速いそりを実現しました。顧客が抱える課題をモノづくりの面から解決するという、中小製造業ならではの開発思想でモノづくりを進めました。
また、当社(マテリアル)を中心に、そり製作に必要な切断、曲げ、研磨、溶接などの加工技術をそれぞれを専門とする中小製造業が分担することで、高品質、高精度な製品を短納期で製作することができました。部品設計図完成から1カ月半で実機を完成させています。
講評
今回、特別賞として「おおたネットワーク賞」を設けることにいたしました。この賞を受賞されたのは『下町ボブスレー』です。オリンピックの舞台で最高の成績を上げられるボブスレーを大田区の力を結集して作り出そうとする強い意欲のもと、大田区の30社あまりが協力して新しい製品作りにチャレンジした成果です。
審査講評のページにも記しましたが、その話題性から大田区の企業の意気込みと実力を世界に発信する絶好のチャンスを与えてくれているだけでなく、これに取り組んだ企業、さらには大田区の企業の皆様を「元気」にする力を持っていると評価されました。
この意味で今回「おおたネットワーク賞」を特別に設け、この開発に携わった皆様に差し上げることにいたしました。
企業情報
社名 | 株式会社 マテリアル(下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会) |
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住所 | 〒144-0045 大田区南六郷3-22-11 |
連絡先 |
TEL:03-3733-3915 FAX:03-3733-3819 |
URL | http://www.material-web.net |