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バーチャルフィラメント技術
優秀賞
概要
白熱電球からLED 電球への置き換えが進んでいるが、当社の主力製品の一つは、電球と光そのものを見せる器具であり、白熱電球と同様の外観/照明効果を得られる光源の開発が急務であった。
当社では、光源自体を見せる/魅せるために、光源の面積と輝度、視覚と知覚の関係に着目した。単体のLED 光源では発光面積が小さく集中しているため、視覚が飽和してしまい、「明るい」を通り越して「眩しく不快なもの」になっていた。市場には、一部の光を遮蔽する/半透明のカバーを設ける/透明な拡散体を用いるなどの手段をとる製品が存在するが、いずれも白熱電球の感性/イメージを再現しているとは言えない。
我々が慣れ親しんできた白熱電球の光は、適度な大きさと輝度の発光面積を持ち、全体的に知覚される明るさが大きいにも関わらず、視覚が飽和する事なく光そのものを見ていられる、という特性がある。これはまた、太古の昔から人類が安らぎを求めてきた焚き火やろうそくの炎にも通じるものである。このような、白熱電球の持つ安らぎときらめき、光と影の対比と言った効果を得るために、独自の光学理論と設計法を開発し、適正なコストと生産性を持つ製品の開発に成功した。
特徴
バーチャルフィラメントは、LED 光源と涙滴状透明体とから構成され、
- 真の光源を、透明体の形によって光学的に無駄なく隠す
-
真の光源を拡大/縮小/変形して、発光が必要な場所に「見かけ」の光源として結像させる
という技術によって成り立っている。 - 見かけの光源の形状を制御する事で、白熱電球フィラメントと同様の、適度な大きさと輝度を持つ、見ていて目に心地よい光源を生み出す事ができる。
- 点灯時には見かけの光源が透明体の先端に出現し、その他の部分に光は漏れない。
- 消灯時に側面から見えるのは透明体だけであり、器具意匠のデザイン性、設計自由度が高い。
- 見かけの光源はほぼ均質な点光源となっており、影の演出性にも優れる。
- LED 部分は見えないので、裏側でヒートシンクに接触させて十分に冷却することで、大電流を流して高い全体輝度を得る事ができる。
- 透明樹脂の射出成形で製作可能なため、生産コストが低く、生産性が高い。
講評
優秀賞に選ばれた『バーチャルフィラメント技術』は、導光体を用いてLEDの光を透明体の任意の場所に結像させることで、白熱電球と同様のイメージの光源を作り出す技術です。LED はその効率の高さ故に注目されていますが、光源としては指向性が強く、照明に使用するとこれまでの電球等と同様のイメージを得ることが難しい問題があります。この技術は、導光体を用いて底部に設置したLED からの光を電球中央に導き、そこから拡散させることで、従来の白熱電球と同様の感触の光を得ることを可能にしています。これを実現した着想力・技術力だけでなく、高輝度LED を電球底部に設置することで冷却の問題も同時に解決しうる点が高く評価されての受賞です。
企業情報
社名 | トキ・コーポレーション 株式会社 |
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住所 | 〒143-0006 大田区平和島4-1-23 JSプログレ 2F |
連絡先 |
TEL:03-5763-6121 FAX:03-5763-6130 |
URL | http://www.toki.co.jp/ |