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WC平均粒度0.1μm台の高強度ナノ微粒バインダレス超硬合金TJS01の開発
奨励賞
概要 地球の内部環境を再現、地球の構造解析や新物質の合成へ期待
顧客のニーズをソリューションビジネスで具現化へ
超硬合金はダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN)に次いで高剛性な合金であり、その優れた特性から、切削工具や金型等、幅広い分野で工 業的に用いられている。超硬合金の中で、特に結合相量(バインダー)が1wt%以下の超硬合金は、バインダレス超硬合金と呼ばれており、高精度が必要な金型や高い鏡面性が必要な金型で用いられている。ユーザーから更なる鏡面性の向上や高強度化の要望があったが、従来の生産技術では非常に困難であった。今回、冨士ダイスは顧客のニーズを具現化する「ソリューションビジネス」として、当社の永年培ってきた技術と製造プロセスを更に改良する事で世界最小粒径のバインダレス超硬合金の量産化に成功した。
特徴
世界最小WC粒径のバインダレス超硬合金を量産化
ガラスレンズ成形金型は鏡面性の良い工具材料を、また超高圧発生用工具としては変形しにくく、高い圧縮強度を持つ工具材料が求められている。これらの特性を得るためには、結合相量を出来るだけ少なくし、炭化タングステン(WC)の平均粒度を細かくする必要があったため、超微粒のバ インダレス超硬合金の開発を行った。しかし、超微粒バインダレス超硬合金の製造は非常に難しく、寸法制限、コストなど生産性も悪かった。
本開発では焼結条件の改良と合金組成を最適化する事により、生産性の良い方法でかつ世界最小WC粒度0.16μmの合金を開発した。
用途
50万気圧の高圧環境を達成!地球内部の解明に大きく貢献
超高圧実験は、ダイヤモンド合成をはじめとする物質合成、大学の研究機関等で行なわれる地球内部構造や地震の発生メカニズム等を調べる高圧地球科学等で行われている。この様な超高圧実験でTJS01製の圧力容器を使用した結果、従来超硬材料で発生可能な圧力の2倍近い50万気圧(50GPa)を超える超高圧力の発生が報告された。この事から今後最先端の研究で用いられ、科学技術の発展に貢献すると考えられる。また、既存工具材料と比較し加工後の鏡面性も向上しており、ガラスレンズ成形金型等の超精密成形金型への利用も期待される。
講評
平均粒径0.1μm台の極微細WC粉末を調製する技術と、バインダーを用いずに焼結し高強度な超硬合金とする技術の優秀性に加えて、製品とな る超硬合金の表面性状など、製品としての優秀性が評価されての受賞です。こうした超硬合金を求める分野は広いので、用途開発を含めてさらに市場を開拓していかれることを期待いたします。
企業情報
社名 | 冨士ダイス株式会社 |
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住所 | 〒146-0092 東京都大田区下丸子2-17-10 |
連絡先 |
TEL:03-3759-7181 FAX:03-3756-0290 |
URL | http://www.fujidie.co.jp/ |
業種 | 生産用機械器具製造業 |
事業内容 | 超硬合金製耐摩耗工具・金型の製造・販売 |