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DC単パルスプラズマCVD装置
おおた逸品技能賞
セグメント構造DLCに最適化した成膜装置
概要
要注目の薄膜「S-DLC」
弊社は、東京工業大学大竹尚登教授考案のS-DLC(セグメント構造ダイヤモンドライクカーボン膜)成膜技術を基本とする企業である。DLCは、ダイヤモンドの硬さとグラファイトの滑らかさを併せ持つ硬質保護膜である。このDLCをセグメント状に形成することで、これまで困難とされてきた、応力により変形する基材や非導電性基材への成膜を可能にした。S-DLC に関する研究開発を通して、「市場で使えるDLC」を提供すべく、事業を行っている。
本装置は、S-DLCを成膜することに最適な性能を目指し、改良を重ねたものである。
特徴
異常放電回避&防止機能付き
CVD方式でのDLC成膜プロセスにおいては、高電圧を印加するため異常放電(異常に大電流が流れること)がしばしば発生する。原料ガスの状態、プラズマ雰囲気の状態が非定常であるため避けがたい。本装置は、異常放電をいち早く検知し、直ちに電圧降下させ放電を止め、放電状態を監視しながら徐々に設定電圧まで再度上昇させる機能を持たせている。この制御シーケンスを組み込むことによって、安定した成膜状態を維持し、均質な膜を作ることができる。この機能により、①電源故障の激減 ②成膜の作業ロス激減 ③自動運転可能を実現した。
用途
様々な基材への適用を可能に
本装置は、直流単パルス電源を採用しているため、電力の出力を細かくコントロールでき、低温(50℃~)での成膜を可能にした。耐熱温度の低い高分子基材にも適用できる。マスク材が電極として機能するため、絶縁物表面にもS-DLCを付けられる。
プラズマCVD方式は、大面積への成膜も容易である。
S-DLCはセグメント構造により従来DLCの弱点を克服し、耐摩耗性、低摩擦だけでなく、耐腐食性、生体適合性にも優れている。S-DLCの多様な特性を活かし、医療、建設、航空、宇宙など、あらゆる分野への適用・展開を目指していく。
講評
低摩擦で耐久性に優れるS-DLCを成膜するCVD装置で、高分子やゴムにも加工可能とした技術的優秀性が高く評価されました。摩擦低減や耐久性向上はさまざまな摺動部位で求められており、大田区発の基本技術としてこうした要求に応える大きな可能性を有していることに加え、本製品も産学連携をきっかけとして生まれたものであることから、新しい大田区の「技能」のあり方のひとつとして、秀逸技能賞を差し上げることといたしました。
企業情報
社名 | 株式会社iMott |
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住所 | 〒143-0013 大田区大森南4-6-15 テクノフロント森ヶ崎402 |
連絡先 |
TEL:03-6423-8314 FAX:03-6423-8312 |
URL | http://www.imott.co.jp/ |
業種 | 生産用機械器具製造業 |
事業内容 | セグメント構造DLCの受託成膜サービス、DLC成膜装置製造・販売、DLC技術コンサル |