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環境配慮型「オール樹脂製鉗子」
最優秀賞
プラスチック鉗子の常識を、日進工業が根底から覆します
概要
世界初の環境配慮型、2ピースのペアン型、オール樹脂製の鉗子開発
鉗子は、物をつかんだり牽けん引いんしたりするのに使用する器具である。医療用途としては、手術中や処置の際のクランプ(チューブ・止血など)が中心となる。
医療現場にて、高機能かつ衛生的な樹脂製鉗子のニーズが高まっているものの開発が難しいという医工連携の打診もあり、本格着手した。当社は1963年の創業以来、「小さくても一流である」ために、射出成形現象に挑み「従来通りを打破する」技術開発を経営方針・品質方針に掲げ、独自技術の開発を増強注力することに取り組んでいる。当社の強みである配向制御や塗装レスメタリック成形などの技術を集結し、開発実現したものがこの付加価値の高いオリジナル鉗子である。
特徴
射出成形エンジニアリングにおけるユニークな技術の実現
- 金属を一切使用しないオール樹脂製のため、リサイクルおよび焼却処分が可能。
- 剥がれの心配がない塗装レスメタリックの色調付与技術により、取り違い防止および高品質感を実現。
- 当社の独自構造を採用し、従来品では実現困難であったステンレス製と同等のスリム形状を実現。
- 同等サイズのステンレス製品より73%の軽量化を実現。医療従事者の負担低減可能。
- 樹脂材料のバリエーションが豊富であり、極めて高い強度(把持力)から柔軟性に富むものまで同一形状で実現。
- オートクレーブ滅菌対応製品および抗菌特性の付与も実現可能。
用途
医療・紛争・災害発生地から手工芸・釣り具・雑貨まで多目的に使用可能
現在、国内で使用されている樹脂製鉗子は海外生産品が主であるが、把持力や組み合わせ部分、バリが多いなど問題が多く、また使い捨て製品がほとんどである。今回の開発によって付与された「付加価値」に該当するものは一切存在しないため、現行品からの置き換えとなるべく期待されている現実がある。また、鉗子全体で140万本/年の国内需要があるものの内4割が海外からの輸入となっている現状があるため、国産化することによって国内はもとより海外へ輸出することが可能となれば、海外の需要も取り込むことが出来る。
講評
本製品は、ピボット部を含めすべて樹脂で成形された手術用鉗子で、医師が行う精緻な作業に耐えられる精度と剛性を有し、かつ滅菌処理にも耐えられる耐久性を併せ持った性能の高さが高く評価されました。これらに加えて、従来の金属製鉗子にない「見た目」の特徴や、ディスポーザブルな樹脂製鉗子と金属製鉗子の間を狙ったビジネスモデルも高評価の要因になりました。医療分野ですぐにでも普及する可能性のある製品ですので、是非、大田区発の優れたツールとしてアピールしていって欲しいと思います。
企業情報
社名 | 日進工業株式会社 |
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住所 | 東京都大田区千鳥2-39-2 |
TEL | 03-3750-7593 |
FAX | 03-3757-4384 |
メール | info@nisshin-kogyo.jp |
HP | http://www.nisshin-kogyo.jp |
業種 | プラスチック射出成形 |
事業内容 |
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