「樹脂の声」を聴くエンジニア集団

個人として尊重してもらえる環境

ここで、奥山さんが話していたインターンシップを経て、入社された若手社員の方に話を伺った。ご対応いただいたのは宮本さん。2021年入社の若手社員だ。

─入社された経緯など教えていただけますか。

インターンシップの説明会の時に社長のお話しを聞いて、会社と仕事に興味を持ったことがきっかけです。インターンシップでは実際に1ヶ月の勤務を3回、合計で約3ヶ月間働いていました。インターン生ではありましたが、働きながら「いい会社だな」と感じたので、就職を希望しました。

自分は学生で、当然仕事のことなど分からないことばかりでしたが、社長や先輩の説明や教え方がすごく丁寧で。学生でも個人として尊重してもらえているのを感じました。

インターンシップの期間だけの「お客様対応」かもと思っていましたが、入社してからもその印象はまったく変わりませんでした。

─今はどんなお仕事をされていますか。

NC旋盤やマシニングセンタを使った加工を行っています。つくっているものは幅広いですが、分かりやすい物だとドローンのプロペラなどをつくったりしています。

業務において分からない部分は先輩に質問したり、確認を取りながら進めていますが、任せてもらっている部分も大きいです。自分で考えながらものづくりができますので、加工が難しい、複雑形状の製品を狙い通りにつくれた時は達成感がありますね。

─会社の良いところや、今後やってみたいことがあったら教えてください。

少人数だからこそ、社員同士、そして社長との距離が近いのは良いところだと思いますね。業務で必要な時はコミュニケーションがすぐ取れます。また、業務上の改善点を見つけた時は、直接社長に提案することもできます。

今後やってみたいと思っていることは、同業者との交流です。他社の技術者との接点がほとんどないので、たとえばどのような加工の仕方をしているか、どんな機械があってどんな技術者がいるのかに興味があります。技術者同士の交流や工場見学などに行ければなと思っています。

同じく2021年に入社した女性技術者の関口さんにもお話しを伺った。

─入社された経緯を教えてください。

学校の求人票で日新電気を見つけたのが入社のきっかけです。仕事自体に興味が湧いたこと、待遇面が希望に合っていたことから入社を希望しました。

入社前は工業的な知識はゼロだったのですが、社長・先輩が優しくに教えてくれたので、思っていたよりすんなり仕事に馴染めました。

現在は主にCAD/CAMを使ったマシニングセンタでの加工などを行っています。加工したものが思い通りつくれた時は嬉しいですし、初めて見るような形をした製品をつくる時は難しさを感じますね。

個人的な目標としては、加工時の素材ロスを減らしていきたいと考えています。図面への理解を深めることやプログラムを工夫することで、それは達成できると思っています。

─会社の良いところを教えてください。また、今後やってみたいことはありますか。

雰囲気が柔らかいのが良いところですね。仕事のことは何でも聞きやすいです。失敗にも寛容なので、難しい仕事をする時も恐がらずに挑戦できます。

今後やってみたことは、すぐには難しいと思いますが、当社には産学連携の実績もありますので、色々な企業や人とコラボなどしてみたいですね。

「樹脂の声」を聴こう

若手社員お二人とも丁寧な話し方が印象的だった。きっと仕事にも誠実に取り組まれているのだろう。社員さんから感じ取れる柔らかい社風は、奥山社長の人柄によるところも大きいように感じる。今後の展望を含めて、あらためて奥山社長に伺った。

─若手の人材にはどんなことを期待しますか。

ものづくりは本当に奥深く、面白さがたくさんある仕事です。そこにある「ワクワク感」を感じてもらいたい。

ただ、その面白味を感じるのにも勘所があります。口で伝えるだけでは足りません。実際に目で見て、考えながら手を動かしてもらう必要があります。

若手社員やインターンシップの学生にはよく「樹脂の声を聴こう!」と伝えています。 樹脂を削る過程で、うまくやらないと本当に悲鳴のような音が出るんですね。このものづくりの機微がわかる人材は当社に来ても活躍できると思いますし、是非とも会ってみたいです。

当社は「エンジニア」の集まりです。決められた業務だけを行う「作業者」ではありません。その違いは自分で考えて、工夫して、行動していける点にあります。幅広い知識を持ち、多様な機械も使えなければいけません。

当社には町工場だからこそ、枠にとらわれない仕事ができる土壌があると思っています。

─会社としてのビジョンはありますか。

今後は高付加価値の仕事の割合を増やしていきたいと考えています。たとえば医療分野の製品や小ロット、微細加工の仕事などです。そういう目論見もあって、先ほど申し上げたような先端機械の導入を計画的に行っています。

また、「つくって終わり」ではなく、画像測定器による品質管理や、トレーサビリティなど、品質保証の面も強化していきたい。デジタルを使っての工程管理や精度・効率の向上を図っていくうえで、若い方の力は欠かせません。

─ありがとうございました。

企業情報

日新電気株式会社
設立:1967年7月
住所:大田区大森南3-31−15
ウェブサイト:http://nissindenki.com/

 

 

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