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- > 人材支援事業で大田区中小企業の採用のチャンスが広がる
2016年04月11日 公開
近年、景気回復により大学生が大手企業に流れる傾向が顕著になっており、雇用情勢は「売り手市場」であることから、中小企業による採用活動は今まで以上に難しいものになりつつある。民間企業主催の大規模な合同企業説明会において、中小企業は知名度がないためブースを構えてもなかなか学生が集まらず、何人かの学生とコンタクトしたとしても採用に繋がらないケースが多い。一方、大学主催の学内合同企業説明会は、学生にとっては外部の会場まで足を運ばずとも1日で多くの企業の採用担当者から直接話が聞けるというメリットがある。また、企業選択の幅が広がり採用されるチャンスも増えることから、学生の参加意欲も高くなる。
協会は、大田区中小企業の採用支援事業の一環として大学と連携し、「大田区ものづくり企業 ミニ面接会(以下、「ミニ面接会」)」や出張型の「合同企業説明会」、また若者と中小企業との出会いの場を提供する「ヤングジョブクリエイション」を開催するなど、様々な人材確保支援事業に取り組んでいる。
「大田区ものづくり企業 ミニ面接会」
「ミニ面接会」とは、製造業の大田区中小企業側が理工系の大学のキャンパスに出張し、集団面接を行う人材支援イベントである。平成26年度初めての試みとして工学院大学と連携して実施し、大学側の希望調査を経て大田区企業7社が参加した。集団面接を行った結果、参加企業3社が学生4名の採用に結びついた。この結果を受け、平成27年度も引き続き工学院大学と連携し「ミニ面接会」を実施。結果、参加企業2社が学生2名の採用に結びついた。
「合同企業説明会」とは
「合同企業説明会」とは、大田区中小企業側が大学のキャンパスに出張し集団面接を行う人材支援イベントである。文系、理工系を問わず学生を採用したいという企業側の要望に答えるため、平成26年度の工学院大学との連携に加え、平成27年度には参加企業の幅を広げ、新たに文系の横浜商科大学と連携し、年度内に合同企業説明会を2回実施した。「ミニ面接会」とは異なり、製造業だけではなく、商業・サービス業、建築業、広告代理店など多種多様な業種の企業が参加した。大学側の希望調査を経て大田区中小企業16社が参加し、集団面接を実施した結果、参加企業5社が学生8名の採用に結びついた。
「ヤングジョブクリエイションおおた」とは
「ヤングジョブクリエイション」とは、若者に大田区中小企業の魅力を伝え、区内企業への就・転職に結び付けることを目的に、若者と中小企業との出会いの場を提供するイベントである。
平成27年度はイベント内容を従来の即採用に繋がるイベントから、参加企業が中長期的な視野で人材確保に繋げることを目的とした内容に刷新。結果、大田区企業4社が一般求職者4名の採用に結びついた。
協会が実施した人材育成・確保事業が一定の成果が得られたのは、①大田区中小企業側が文系・理工系問わずに若手人材の採用意欲が高いこと、②大学生も大手企業だけではなく中小企業にも目を向けるようになったこと、③さらに協会と大学との協力関係がうまく機能したことなどが想定される。今後も大学との連携を強化するなど、大田区中小企業の人材確保へと繋げられる効果的な事業になるよう取り組んでいきたい。
2016.4.11
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