2021年08月16日 公開

宇宙を支える大田区のスタートアップ企業 ~創業するなら ものづくりのまち~

大田区には、宇宙ビジネスに携わるスタートアップ企業が立地している。革新的なアイデアや技術を形にするのに、区内に集積する中小製造業との連携が有効だからだ。
ものづくりスタートアップを育む大田区の風土を、宇宙ビジネスを例にレポートする。

東工大発、もうすぐ宇宙へ   株式会社天の技(あまのぎ)

データの解析機器
データの解析機器
Star Tracker
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株式会社天の技の本社は、商店街から一本奥にある古い戸建て住宅。

畳敷きのリビングから引き戸を開けると、そこに真空実験装置やクリーンルームが並ぶ。

2018年に東京工業大学発のスタートアップとして設立、「私たちは人工衛星などの完成品ではなく、そういったメーカーを支える『部品メーカー』を目指しています」(工藤裕CEO)といい、宇宙空間で星の位置によって衛星の姿勢を測定する『スタートラッカー』を開発・製造する。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)が民間企業や大学に実証実験の場を提供する「革新的衛星技術実証2号機」に搭載する技術として選定され、年度内には宇宙空間へ飛び立つ予定だ。

会社設立時にベンチャーキャピタルから出資を受け、順調に増資を続ける。有望なスタートアップ企業が、大田区を創業の地に選んだのには理由があった。

「宇宙の部品」をものづくりのまちから提案

工藤CEO
工藤CEO

工藤CEOは東工大を卒業後、大手通信会社や半導体製造装置メーカーを経て、先行する宇宙関連企業のアイスペースに参加。同社が成長してきたところで独立した。

「学生時代から大田区に住んでいます。町工場だけでなく、行政の方とか、いろんな人とものづくりの話が盛り上がるんですよね」(同)と笑う。

大田区の魅力は、集積する町工場への加工の発注はもちろん、東京都立産業技術研究センター城南支所の実験装置を使えることや、羽田や品川からの全国への出張にも便利という。

大田区にはまだ、宇宙分野のコンポーネントを作る会社は少ない。

宇宙で実際に使われた実績がないと受注は難しい。「でも技術はある。天の技を利用して実績を作ってもらい、みんなで宇宙産業のサプライチェーンを作り、ものづくり全体を盛り上げたい」と意気込んでいる。

町工場と連携し、技術をカタチに   株式会社OUTSENSE

「折り」の解析と実測をするオフィス
折り」の解析と実測をするオフィス
「折り」の解析と実測をするオフィス
「折り」の解析と実測をするオフィス

株式会社OUTSENSEは2018年設立、宇宙に運ぶパラボラアンテナや居住コンテナなどを小さく折りたたんでロケットに詰め込む『折り工学』が同社の強み。地球上でも、災害時に使うシェルターなどに技術を応用し活動領域を広げている。

同社のオフィスは区の工場アパートにある。

国内外のスタートアップ企業と大田区のものづくり中小企業の連携により技術をカタチにする区の実証実験事業に2019年度に採択され、この時に連携したのが現在のお隣さんであるサンケンエンジニアリングだ。

「サンケイエンジニアリングの土場社長の近くでものづくりがしたいと思い、大田区にやってきました。いつも相談に乗ってもらい助かっています」という。

「宇宙の部品」をものづくりのまちから提案

髙橋CEO
髙橋CEO

大田区の町工場は「こちらが無茶な注文をしてもしっかりアドバイスをして頂ける。そして、何かあればぱっと行って実際にものに触りながら話ができる」のが強みだという。

今後も、厚みのある金属を折りたたむ技術を持つ町工場などとの連携を進める意向。

「『折り』という技術を使ってイノベーションのある製品を生み出し、宇宙空間や災害時の劣悪な環境の中でも使える製品を生み出して人の生活に役立ちたい」と将来のビジョンを掲げている。


大田区はものづくりスタートアップの創業に最適のまち。

令和3年10月には新たな創業支援施設「六郷BASE」が大田区南六郷に開設予定で、入居募集も始まりました。起業を志す方々、一緒に六郷BASEで次世代のビジネスを創造してみませんか。

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